Klaviyoについて、日本のEC事業者からよくいただく質問が4つあります。
「Klaviyoってエンタープライズ向けでは?」
「リストが多くないと効果が薄いのでは?」
「料金が高額なのでは?」
「自動化って、そんなに良いもの?」
どれももっともな疑問です。そして、どれも半分は正しく、半分は誤解です。本記事では、この4つの質問について、現場での実感を交えながらお答えします。
QUESTION 01
Klaviyoはエンタープライズ向け?
結論から言うと、必ずしもそうではありません。Klaviyoは大企業だけを対象とした製品ではなく、成長中のD2C・中小ECブランドでも活用されています。海外のD2Cブランドの中には、事業の成長段階に合わせてKlaviyoを活用してきた企業も少なくありません。
料金も顧客プロファイルなどの利用規模に応じて変わる従量制で、無料から始められるプランも用意されています。大規模な導入プロジェクトを前提とするエンタープライズ製品とは、設計思想がそもそも異なります。
では、なぜ日本では「大企業向け」に見えるのでしょうか。理由は製品の性質だけではなく、導入時の摩擦にもあります。
つまり、日本の事業者から見た「エンタープライズ感」には、こうした導入時の摩擦も影響しています。
Klaviyoの導入を検討する一つの目安は、
手動運用の限界を感じ始め、顧客ごとのコミュニケーションを仕組み化したい店です。
QUESTION 02
リストが多くないと効果が薄い?
これは半分正しい指摘です。ポイントは、Klaviyoの配信には性質の異なる2種類があることです。
リストの量が効く:キャンペーン配信
セール告知などの一斉配信は、単純な掛け算です。リスト1,000人 × 開封率30% × クリック率5% × 購入率3% = 約0.5件。リストが小さいうちは、確かに大きな売上にはつながりにくいでしょう。「リストがないと意味がない」という指摘は、この文脈では正しいのです。
リストが小さくても効く:フロー(自動配信)
一方、カゴ落ちフローの母数はリスト全体ではありません。「カートに商品を入れたものの、購入せずに離脱した人」です。
たとえば月間セッション1,500・CVR1%前後の店でも、購入に至らなかったユーザーの中には、カートまで進んで離脱する人が一定数います。このようなユーザーに自動でリマインドが届き、そのうち一部が購入に戻ってくれば、客単価によっては月数万円規模の売上回収につながる可能性があります。リスト全体が500人程度でも、こうしたフローは機能します。
ウェルカムフロー、購入後フォロー、再入荷通知も同じ構造です。母数は「その行動をした人」なので、店が動いている限り、リスト全体の大きさとは別に機会が発生します。
キャンペーン配信 |リストの量が効く「攻めの配信」
フロー |リストが小さくても効く「取りこぼしの回収」
中小ECがまず売上を落としているのは後者、つまり取りこぼしです。Klaviyoは小さい店では回収装置として機能し、リストが育ってから攻めの装置として活用することもできます。だからこそ、リストが小さい立ち上げ期にフローを仕込んでおくという導入の仕方は、合理的な選択肢の一つです。
QUESTION 03
料金が高額なのでは?
Klaviyoの料金は、顧客プロファイルなどの利用規模に応じて変わる従量制です。メール配信は無料から始められるプランもあり、利用規模が大きくなるにつれて料金も段階的に変わります。決して「大企業しか払えない」という価格帯ではありません。
それでも「高い」と感じられるのには、理由が2つあります。
ひとつは、ドル建て課金であること。円安の時期には国内ツールとの価格差が実際以上に大きく映ります。もうひとつは、利用規模が大きくなるほど月額も上がる仕組みであること。「使い続けると高くなるのでは」という不安は自然なものです。
ただし、ここで見落とされがちな点があります。プロファイル数が増えるということは、顧客リストが育っているということでもあります。顧客との接点が増えれば、配信によって生まれる売上を伸ばせる余地も大きくなります。
つまり、料金は単体で高い・安いを判断するのではなく、次の式で考えるべきです。
メール・LINE経由で回収できる売上 - 月額費用 = プラスかどうか
カゴ落ち回収だけで月額を上回る店もあれば、リストの状態的にまだ早い店もあります。「高いかどうか」は店ごとの数字で答えが変わる問いであり、一般論では決まりません。導入前に、自店の数字で試算することをおすすめします。
QUESTION 04
自動化って、そんなに良いもの?
正直にお伝えすると、「自動化で配信作業が楽になります」という話であれば、多くの中小ECにとって導入の決め手にはなりません。
実際、LINE公式アカウントのタグ付けやオーディエンス機能を使えば、ある程度のセグメント配信は手動でも組めます。手動でできることを自動化するだけなら、月額費用に見合う差分は生まれにくい。事業者の方々がそう判断するのは、合理的です。
自動化の本当の価値は、別のところにあります。
自動化とは作業を楽にすることではなく、
店が、お客様一人ひとりのことを覚えていられるようになることです。
考えてみてください。人間が構造的にできないのは、セグメントを切ることではなく、顧客一人ひとりのタイミングを覚え続けることです。
- 昨夜23時にカートに入れて離脱したお客様——数時間後に声をかける
- 2ヶ月前に買った消耗品が、そろそろ切れる頃のお客様
- 半年前から見ていた商品が、今日再入荷したお客様
- 前回の購入から90日、離れかけているお客様
1人なら覚えられます。しかし500人分、それぞれ違う時計を覚え続けることは、どんなに優秀な担当者にも物理的に不可能です。手動運用が回っている店は、実はこの「記憶の仕事」を最初から諦めて、一斉配信で済ませています。
Klaviyoのフローの本質は、配信の自動化だけではなく、顧客一人ひとりのタイミングを記憶しておく仕組みです。適切なタイミングで声をかけられることで、手動運用では取りこぼしていた売上につながる可能性があります。
「月間のカゴ落ち◯件 × 回収率 × 客単価 = 月◯万円。固定費を引いて黒字か」。導入判断は、この式で考えるのが一番誠実だと私たちは考えています。
SUMMARY
まとめ
エンタープライズ向け? — いいえ。大企業だけを対象とした製品ではありません。日本では導入時の摩擦によって大企業向けに見えやすい面がありますが、成長中の中小ECでも活用できます。
リストが少ないと効果が薄い? — 一斉配信ではその傾向があります。しかしフローの母数は「行動した人」なので、小さい店でも取りこぼしの回収に活用できます。
料金が高額? — 無料から始められるプランもある従量制です。利用規模が大きくなるほど料金も変わるため、高い・安いは一般論ではなく「回収できる売上-月額費用」の式で、自店の数字から判断するのがおすすめです。
自動化はそんなに良いもの? — 「楽になる」だけなら決め手にはなりません。価値は、店がお客様一人ひとりのタイミングを覚えていられるようになること。そこで生まれる売上を確かめてから導入を判断してください。
WEBALACARTE
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